こんにちは、Deruka(@tabini_deruka)です。
海外へ行くと、自分で価格を交渉する機会に出くわしたりします。
タクシーに乗る時や、お土産を買う場面など。日本では、商談以外でほとんど起こらない価格交渉。
これがなんとも新鮮で楽しいんですよね。
今回は実体験で得た交渉のコツや、注意点などを語ります。
海外で価格交渉が必要になるのはこんな時
交渉がスタートするのは、こんな時です。
- タクシーに乗る時
- 個人商店で、お土産を買う時
- 予約なしでホテルに泊まる時
- 現地ツアーの店頭問い合わせ時
価格交渉は、普通に旅行していれば、確実に遭遇しうるイベントです。
逆に、価格交渉が不要なのは、屋台やレストランなどの飲食店。お土産屋も、高級デパートの大規模なところは、日本と同じ定価販売です。
価格交渉は、個人がやってる小規模な事業者で発生しうる、と覚えておくといいです。
価格交渉が必要な国は、主に途上国
先進国だとほとんど見られない価格交渉。
なぜ開発途上国では必要なのか。
詳しくはないのですが、
- 物価が不安定
- 経済が不安定
- 法の整備がゆるめ
- 交渉の文化慣習がある
あたりが理由かなと思っています。
自分の経験上も、価格交渉が必要なのは、東南アジアなどの開発途上国が多かった。
小規模な事業者って、店主さんの気分で「ああこれまけてやるよ」とかパッと変わったりするので、その緩さに交渉の余地が生まれるんですね。
価格交渉がある国の例
タイ、ベトナム、カンボジア、インド、バングラデシュなど
価格交渉の7つのコツ
私が実際に世界各国で価格交渉をしてきた、具体的なノウハウやテクニックを紹介します。
最初の価格で買わない
まずは価格交渉のスタート地点です。
最初に提示される価格って、たいていの場合盛られてます。経験上、高確率で高めに設定されています。
でも、それはごく自然なこと。
相手からすれば、その価格で売れれば得をするし、高いと言われて初めて交渉に応じればいいだけです。
交渉のセオリーみたいなもので、他意はないので、意地悪だなぁなんて思わないようにしてください。
同じ立場なら、誰でもそうします。
値札を見たら、こちらから価格交渉を仕掛けましょう。
最初の一言で効果的なのは「これ安くならん?」でなく、具体的な価格提示がおすすめ。
客「ハウマッチ?」
店「5000円」
客「…3000円は?」
こんな感じで交渉開始です。
相場を知っておく
具体的な価格を提示するのには、周辺の相場を知っておくことです。
たいていは周りに同じような店が並んでいるはず。相場というのは、他店とのバランスの中で決まってきます。
相場を知らないと、それが高い買い物なのか、安い買い物なのかも判断できません。
複数の店にあたる
最初に入る店って、たいてい市場の入口か出口です。客入りが多いため、同じものでも高めに設定されてることが多々あります。
最初の店では買わず、軽い気持ちでぶらぶらしてみましょう。市場を周るのは単純に楽しいですよ。
最初の選択肢が、最善とは限りません。
(これ、いろんなことに通じますね…)
初手に思い切った額を提案
具体的なやり取りはこんな感じです。
店「これ5000円な」
客「じゃあ3000円は?」
店「だめだめ」
客「3500円!」
店「うーん…4000円ならいいよ」
客「じゃあ間をとって3700円」
店「OK」
結果:5000円→3700円に
思い切った金額を初手に出す。
これができると非常に強いです。
最初にインパクトある割引額を言うことで、それがアンカー(基準)となります。
私は三割引きスタートが多いです。
思い切りすぎと思うかもしれませんが、言ってみるだけならタダ。
相手も、それくらい最初から上乗せ提示してたりすることもあるので、初手どれくらいがいいかは、だんだんわかってきます。
適正価格は、やり取りの中で相手の反応を見て、掴んでいく。
「はあ~??」とキレ気味な反応は、相場よりだいぶ低いので、その価格はまず無理です。
自分の初手に、相手が返してきた割引額を、さらに少し下げたりして交渉成立のパターンが多いです。
結局、店主の手のひらで踊らされてるだけかもしれませんが、初期価格からはだいぶ安く買えます。
ぼったくりが多いのが、インドのタクシーです。向こうの初手提示が、適正価格の十倍とかもざらにある。タクシーはどの国でも、ぼったくりが多いです。配車アプリを使いましょう。
条件を変える
価格があまり下がらない時は、条件を変えるのも手です。
たとえば
- 「これも買うからセットでまけて」
- 「多く買うから、少し安くして」
- 「帰りも来るから少しまけて」
- 「延泊するからこの価格でどう?」
これらは現実的に通じます。
物がまとめて売れるのは、お店側にとってインセンティブになります。
現金が多く手に入るし、在庫管理のコストも減る。食べ物なら腐ったりするので、少し安くしても早くさばきたい。
条件を変えれば、通ることは多いです。
交渉が平行線になってきた時は、別の条件を提示してみると良いです。
時間帯を変える
閉店前は、驚くほど交渉が通ります。
スーパーでも閉店が近づくと惣菜が半額になるのと同じ現象です。
相手の「今日の売れ残りを出したくない」という心理から、買い手が明確に有利になります。
この戦略は、宿屋が特に有効です。
宿屋は、人を泊めないと利益になりません。いくら安くても、空き部屋にするよりはマシというわけです。
夜中に飛び込みで宿を探すのが良いかは別として、良い部屋に安く泊まれます。
最強は帰るフリ
買い手の最強の切り札が「帰るフリ」です。
これは本当に、あらゆる相手に有効です。
相手からすれば客を逃せば売り上げはゼロですが、安くても売れれば現金が手に入ります。ある意味、足元を見ているわけです。
帰るフリは、相手との微妙な力関係を利用します。
「こいつは、本当に欲しがってるみたいだ。値下げしなくても売れるそうだな」と思わせるとだめです。
テンションは平常時のまま
「そこまで欲しくないし、安くならないなら別にいらない」という態度を示しておく。
↓
帰るフリをする。
↓
「ま、待ってくれわかった!」となる。
前述の、宿屋との交渉にも、大変効きます。
この力関係のライブ感こそが、価格交渉の醍醐味でもあります。
価格交渉での注意点
値切りすぎないこと
値切りすぎると、大変良くない。
苦い交渉失敗談
旅を始めた初期のころ。
タイで価格交渉の妙味を覚えた私は、タクシーを限界まで値切りまくってみようと挑戦したことがあります。
「段階値切り」や「帰るフリ」を駆使し、素朴な運転手の親父もしぶしぶ承諾。目的地へと出発しました。
交渉の成功に上機嫌で乗っていると、ふと車内の揺れが気になり始めました。
最初は「海外の道路ってこんなものかな」と思っていたのですが、あからさまに運転がワイルドになっていきます。
どうやら親父、乗車しながら怒りが沸騰し始めた様子。
狭い路地で峠攻めのようなコーナリングを見せる親父。タイの市街地でなぜかオフロード並みのスリルです。
最後のほうは、クレイジータクシーもびっくりの乗車体験になっていました。
下車時に、親父の形相がヤックみたいに変化していたのも、今となっては良い思い出です。(よくない)
支払うお金は、相手の生活の糧。
相場価格から乖離しすぎていると、相手をむっとさせたりします。
良くないです、ほんと。
やめましょう。
値切りテクをここまで書いておいてなんですが、常識の範囲内で、win-winを目指した方がいいです。
ケチになりすぎないこと
先述の通り、価格交渉が発生するのは、成長中の国が多いです。
値切ったりする価格も、日本人にとっては些細な金額だったりします。
バックパッカーをしていると、良い意味でも悪い意味でも、金銭感覚が現地人並みになりがち。
シビアになりすぎる必要はありません。
繰り返しになりますが、双方ともに気持ち良い範囲での、取引成立を目指すのがいいです。
価格交渉の非日常を楽しもう
日本ではなかなか得られない価格交渉の場。
初めてでも、そんなに身構える必要はありません。
価格交渉はそれ自体がゲームみたいなもの。
ちょっとでも値引きできると、価格以上に満足感を得られたりします。
機会があれば、気軽に挑戦してみるのが良いと思います。