こんにちは、Deruka(@tabini_deruka)です。
2019年上旬。初インドを一人旅している際、コルカタで詐欺被害に遭いました。
インドは、旅行者を狙った詐欺やボッタクリが多いです。冗談ぬきに、バックパッカーなら99%遭遇します。
今回は私の体験談を語ります。
インド旅行に興味ある方は必読です。周りにそんな人がいればシェアしてください。
インドで詐欺に遭った話
「今、お前の目的地行きの電車はチケットが買えないんだ。俺が代わりに問い合わせてやるよ、マイフレンド!」
これが私の出会った詐欺師の言葉でした。
改めて文字にしてみると、インドの詐欺師の定番セリフですが、私はひっかかりました。彼らを信頼していたためです。
この後、彼らのオフィスについていった私は、本来より高い金額で列車のチケットを取ることに。
インドの詐欺については、入国前から備えていました。調査をして、体験談を読み、防犯対策をした上で臨みました。それでも詐欺に引っ掛かりました。
なぜ私は彼らを信頼してしまったのか。出会いからさかのぼってみます。
詐欺師との出会い
彼らと出会ったのは、インドに入って三日目。
ファストフードの行列に並んでいる時でした。
道で見かけた行列店。
なんだか気になり、自分も接続。
注文にまごついていると、後ろの男性が注文を手伝ってくれました。
「きみ旅行者?どこからきたの?」
定番の質問から、雑談タイム開始(旅で好きな瞬間です)。
言語は英語。インドの公用語はヒンディーですが、英語ができる人もたまにいます。若者や、高い教育を受けている層に多い印象。
彼の英語は流暢で、格好も小ざっぱりしており、洗練された都会人という風体でした。
「実は普段、海外で仕事をしていてね。休暇で帰ってきているんだ。あ、そうそうこいつは同僚」
すぐ横で、同じくメシ食ってた友人とも挨拶。彼も身なりが良く、英語が喋れました。
この時点で、彼ら二人には親近感を持ちました。
助けてくれたこと。
ある程度身なりが良さそうなこと。
強引なノリではないこと。
これだけで、町で出会う他のインド人たちとは、かなり違っていました。
お察しの通り、彼らこそが詐欺師でした。
インドは「人がうざい」?
ここで少し話は変わりますが、インド人は「うざい」と形容されることがしばしばあります。検索候補でも「うざい」と出ます。
言葉は悪いのですが、これはわりと的を射た表現とも感じます。
行ったことがある人ならわかるのですが、インド人の距離感は、日本人よりかなり近いんです。
他人とは一定の距離をとる日本人からすると、これは衝撃的。
でもまあ、それも異文化の一つ。
自分たちと違う国の個性として受け入れ、旅が始まりました。
インドでは、どこへ行っても力強い眼光で凝視されます。目を合わせたらさっとそらす、日本のような仕草は通じません。じっとホールドで見つめてきます。
そしてフレンドリーというか、馴れ馴れしさが強めですね。悪意は感じませんが疲れます。
問題なのは、その中に詐欺師やボッタクリマンが紛れ込んでくることです。こちらとしては、見分けがつかない。
タクシーや客引きレベルの小さなボッタクリ屋にもガンガン話しかけられるので、警戒心も強まります。
一人旅、知らない国、他にも公衆衛生の悪さもあり、インド三日目にして、すでに疲弊していました。
そんな中、言語が通じて、距離感もうざくなく、ついでに年齢も近そうな二人に出会ったわけです。
久々に同じ星の人に会ったような、安堵感がありました。
詐欺師の巧妙な手口
彼らは信頼を獲得するため、テクニックを駆使してきます。
「え、キミ日本からきたの?俺の妻も日本人だよ!千葉の野田市ってとこからきてて…ほらこれ見て」
そういいながら、財布から差し出された、妻らしき日本人女性の写真。
(「野田」…!?遠く離れたインドで、まさかの千葉県野田市…)
絶妙にマニアックな地名もまた、信ぴょう性がありました。普通のインド人なら、輪廻転生しても知りえない単語です。
さらに畳みかけるような、海外勤務のエピソード。疲れ切った私の心に、どんどんと染み入ってきます。
ひと段落ついた頃には、彼らとすっかり友人になっていました。インドという不思議の国で、運よく巡り合えた同志に。
一緒に町をぶらつくが…
店を出た後、しばらく話しながら町を流す。彼らは気が利き、いろいろなことを話してくれました。
道でチャイもおごってくれました。
前述の通り、一杯5円とかで売ってるミルクティーです。
甘くて熱々で、とてもおいしかった。
「なあ、今後の予定としては、どこへ行くつもりなんだ?マイフレンド」
予定をかいつまんで話しました。
すると…
「え、あそこへ行くのかい!?まずいね…今そこ行きの電車が運行停止してるんだよな」
電車がストップしてるから、代わりにチケットを買ってあげるというのは、インド詐欺の定番文句です。
しかし、その時点ですでに異国の友人だった彼の言葉は、非常に信頼性があるように感じられました。
インドの鉄道は凄まじいです。
駅舎もカオスで、遅延も三時間なんて当たり前。
(なるほど、運行停止もまあ本当にあるんだろうな…)と、そう思いました。
「よし、俺が駅に問い合わせてチェックしてやるよ!友人のオフィスがあるから、そっちでPC借りよう」
疑惑と後悔
オフィスについていった後は、とんとん拍子です。私は2000円上乗せした金額で彼らからチケット買い、駅に向かったのでした。
過程は省きますが、最初の二人以外にも、その後数名の人物が登場。なにかと世話を焼こうとしてくれました。
好意の返報性を熟知しているようです。
被害額は2000円ほど、抵抗したのでこれくらいで済んでいます。最初の提示額は16000円でした。
今思い返してみれば、チャイをおごってくれたのも、信頼を得るための撒き餌でした。
払った時点で不信感がわいていて、時間が経つとともに、あれは詐欺だったんだなと確信に変わっていきました。
移動日で焦っていたし、勝手がわからないしで、結局泣き寝入りです。
日本人専門の有名な詐欺師
同様のケースがないかあとで調べたところ、なんとネットに出ていました。彼はかなり有名な詐欺師らしく、活動歴も長いようです。
なぜことごとく日本人が被害に遭うのかというと、おそらく町で情報共有されているのではないかと思います。
アジア人は、インドでかなり目立ちます。
コルカタという町には、定番の宿屋ストリートみたいな場所があります。
そこでもかなり怪しい人に声をかけられたし、詐欺師のネットワークがあっても不思議ではありません。
この国を好きになろうとやって来た人を、どうして騙そうとするのか。
騙されたことも悲しいですが、そんな有名な詐欺師を、ずっと長い間放置しておく警察にも不信感を抱きました。
詐欺に遭わないための方法と対策
ここからは、防犯対策について考えを述べていきます。
対策をしても、詐欺に遭った
これまで一人旅でいろいろな国を巡りました。
インドに行く前に対策もしていました。体験談を読んだり、手口を予習したり。
自身は「ノー」といえる性格です。
ずっと警戒もしていました。
それでも詐欺被害に遭いました。
わかっていても詐欺に遭う理由
思いつくのは、
- 彼らが、より巧妙だった
- 疲労と緊張で、冷静さが欠けた
偶然を装った出会い、信頼を得るテクニック、話術。詐欺師は場数を踏んでいます。
落ち着いた場所で、体験談を読んでいても、現実は違ってきます。
それでも対策しよう。被害を軽減するために
結果的に詐欺にあいましたが、対策が無駄だったわけではありません。
対策がなければ、おそらくもっと大きな被害になっていた可能性もあります。
ネットでは数百万単位で騙された人や、辺境の村に置いて行かれた人の体験談もゴロゴロ転がっています。
読んでください。
読み漁ってください。
事前に知っておくことは、犯罪防止に効果的です。
手放しに信用しないこと
体験談を漁るのは前提として、以下のことも気に留めておいてください。
- 日本語をしゃべる人は詐欺師かも
- 道端で話しかけてくる人は詐欺師かも
- やたら親切な人は詐欺師かも
- リキシャ(タクシー)は基本ボッタクリ
オーバーではなく、これくらいの感覚は本当に必要です。なにせ見分ける手段がありません。
本当に親切心から声をかけてくる人もいます。詐欺師でなかった人は、素朴で優しかった。
だからこそ、疑心暗鬼に陥ってしまうのは、本当にきつかったです。
詐欺対策は、他の旅行者のためにもなる
個人が対策をしていくことは、本人だけではなく、未来に訪れる他の旅人のためにもなります。
詐欺師に成功体験を与えないように、ひとり一人が気をつける。
私は詐欺に遭ってしまいましたが、せめて同じような被害に遭う人が減ればと思い、この記事を公開しました。
旅は楽しいばかりじゃない
インドはとても刺激的な体験ができる国です。
なにもかもが日本とは違う。
だからこそ、行くなら十分に気を付けてください。
手口を予習してください。
行く人が身近にいたら、忠告してください。
今回は以上です。